この記事を読んでいるというあなたは、
「数年間禁煙できてはいるけど、どうにもタバコへの未練が残っている」
「たまに友人と集まると、久しぶりに吸いたくなるんだよなあ。。」
という元・喫煙者の方ではないでしょうか。
「せっかく禁煙したのだから、もう元には戻りたくない。。」
タバコの誘惑に駆られる元・喫煙者であれば必ずこう思うはずです。
今回は元・喫煙者がタバコのない人生を手に入れるために
・どうして「吸いたい」と思うのか
・タバコのない人生はどうやって手に入れるのか
について解説していきます。
まずは禁煙できているご自分を褒めましょう
どうか、未だに「吸いたい」と思ってしまうご自分を責めないでください。
かつて並々ならぬ意思力をもって「禁煙」し、現在も継続されているその克己心は並大抵ではありません。
一般的な禁煙方法(禁煙外来やニコチンパッチ、禁煙飴など)や純粋な「意思力」による禁煙の場合、1年後に禁煙を継続できている方の割合は20%と言われています。
1年後には8割の方が脱落しますので、「何年経っても・・」と悩むあなたはすでに上位20%以上の選ばれし者ということになります。
禁煙後、「何年経っても吸いたい!」は割とよくある話
しかし、そんな上位20%に入っている方でも再煙のリスクがゼロになったわけではありません。
もちろん1度の禁煙で未練までも断ち切り、生涯タバコと無縁の生活を送られる方も大勢いらっしゃいます。
しかし一方では、残念ながら数年ぶりの喫煙に戻られてしまう方も一定数いらっしゃるのが現状です。
しかし、万が一再煙してしまっても「タバコのない人生」への扉が完全に閉ざされてしまうわけではありません。再びタバコを吸わないためには、あるいは一度再煙してしまった際にタバコのない生活に戻るためには、まず「タバコを吸いたい」と思う仕組みを理解することが必要です。
吸いたくなるしくみ
なぜタバコを「吸いたい」と思うのか。その要因は大きく分けて2つあります。
①ニコチンによる身体的な依存
②長年タバコを吸い続けてきた習慣による心理的依存
これらは相互に作用し、下記のように依存のスパイラルを形成します。
・ニコチンを摂取(①)することでドーパミンが分泌され、満足感を覚える
↓
・ニコチンが切れてイライラ
↓
・再びニコチン摂取(①)することでドーパミン分泌(=満足感)が癖になり、習慣化(②)
↓
以下無限ループ
この連鎖を断ち切るためには、①②の両方を取り除くことが必要です。片方では不十分です。
数年間禁煙を継続されている方の場合、①のニコチンはすでに体から抜けきっているでしょう。しかし②の心理的依存が残っているためにタバコへの未練を感じてしまう、というケースが大半と思われます。
「禁煙」の限界
では、依存へのアプローチはどのようにすればいいのでしょうか。ここで、現在あなたが続けている「禁煙」の概念を分析してみましょう。
「禁煙」という言葉には、ふたつの意味があります。
(1)病気などの事情によりタバコを「止める」こと
(2)一定期間(または時間)タバコを「我慢する」こと
ここでちょっと考えてみてください。「吸いたいけどもう止める」を(1)、「吸いたいけど吸わせてもらえない」を(2)だとすると、吸いたい気持ちが根本にあることに変わりないと思いませんか。つまり、「禁煙」という語には「我慢」という概念がついてまわるということです。
従来の「禁煙」方法では「ニコチン依存」への対処に終止し、「心理的依存」へのケアをすることができません。
その結果「我慢」が生じ、ストレスや再煙リスクというデメリットが生じているのです。人間には「禁じられたものほど欲しくなる」という本能が備わっているのです。さらに言えば、我慢を強いる「禁煙」の仕組みそのものが、再煙を誘発してしまうのです。
「吸いたい」とすら思わない境地「離煙」とは
私たちが目的とするのは、あくまで「タバコのない生活」であり、一生タバコを「我慢」する生活ではないはずです。
実際に生涯「タバコのない生活」に移行できた方の多くはタバコへの未練を一切感じず、吸わない状態でノーストレスな生活を送っています。
このレベルに到達することはもはや「禁煙」ではありません。
無理に「禁じる」のではなく、真の意味でタバコから「離れる」という意味で、「離煙」とでも呼ぶべきでしょう。あなただってそうなれます。
「禁煙」から「離煙」に移行するには
禁煙から離煙の違いは「タバコを吸いたい」と思わないでいられるかどうかです。
それに気づかない限りはまだ「禁煙」の域を出ていないと言っていいでしょう。本当は吸いたいけれど様々な理由で我慢している状態なのです。
そんな状態では我慢する理由がなくなった時、再び喫煙してしまいます。
では「離煙」するにはどうしたらいいか。現役の喫煙者の方には「離煙パイプ」をおすすめしています。これは1日ずつ脳が気づかないペースでニコチンをカットし、いつものタバコを吸いながら離煙に導くアイテムです。
理論としては喫煙によるニコチンの補給を徐々に減らすことで、1度のドーパミン分泌量を減らします。最終的にはニコチンが9割以上も減るため、「吸う」動作への依存(=心理的依存)も消えていきます。これはドーパミンが分泌されないので「吸うのがバカバカしい」と思ってしまうからです。
実際に1年後の成功率が高く、実に9割近くがタバコのない生活を継続しています。
では、すでに禁煙されている方の場合はどうするか。この場合は非常に地道な作業を必要とします。端的に言えば「タバコについて」「ニコチン依存について」の知識を深め、「タバコはいらない」ということを頭と体に学習させる必要があります。
我慢を重ねる従来の「禁煙」と、タバコを不必要だと思う「離煙」は根本的に考え方が違いますが、「禁煙」から始めても、知識を得ることによって「離煙」へと移行することは不自然ではありません。
タバコをやめる事に終わりはありません。あなたの続けていることが「禁煙」にとどまっている限りは1年やめても10年やめても、次の日にタバコを吸ってしまったら失敗なのです。それならば、一生我慢を続ける従来の「禁煙」から、我慢を必要としない「離煙」へ移行しましょう。「禁煙」と「離煙」の間に横たわっているのは「気づき」です。