禁煙

禁煙の髪への効果はすごい!?タバコは薄毛と関係あるのか

「タバコやめたら髪生えた」そんなことってある??

この記事を読まれている方の中には、「禁煙の効果はすごい 髪」「タバコやめたら髪生えた」のような検索ワードで来られた方も多いのではないでしょうか。

確かに、美容院や理髪店で「タバコは髪に良くないですよ〜」といった話も聞きますし、なんとなく「喫煙するとハゲそうだな。。」というイメージをお持ちの方も少なくないはずです。しかし、明確な根拠を言える人は少ないように思います。

今回は、「喫煙と薄毛の関係」についてデータを交えながらわかりやすく解説していきます。

髪の毛が生え、抜けていくまでのサイクル

髪の毛は、毛穴から生えて抜け落ちるまでのサイクルがあります。これが「毛周期」です。毛周期は、髪の毛の元である毛母細胞が増殖・分化する時期を「成長期」。成長期が終了して細胞分裂が停止する時期を「退行期」。髪が抜け落ちる時期を「休止期」といいます。成長期は2~6年、退行期は2週間~1ヶ月、休止期は3~5ヶ月あります。

ヒトの頭髪は約10万本あり、その10%の約1万本が休止期の髪の毛といわれています。この1万本の髪が休止期の3~5カ月で徐々に抜けるとすると、平均で1日約50~100本。これが、正常な範囲の抜け毛の量ということになります。

(参考:「おもしろサイエンス 薄毛の化学」 板見智・著 日刊工業新聞社 2016年)

抜け毛は、生活環境の変化や気温の寒暖差、紫外線、汗、エアコンのダメージなど、様々な要因で一時的に増えることがあります。これらは、ストレス発散や頭皮ケアなどで予防することができます。

それでもやっぱり、喫煙者の方で「最近抜け毛が増えてきたように感じる」、「髪の毛がさみしくなってきたかも」と感じる場合、実は、その原因のひとつにタバコが関係している可能性があります。

薄毛と喫煙の関連性はあるのか

こんなデータを発見しました。英国のライ診療所というところに、診察を受けに来た男女の頭髪状態と喫煙習慣を調査。その結果が次のグラフです。

【年代別、喫煙習慣別頭髪状況】

引用:「タバコ病辞典 吸う人も吸わない人も危ない」 2004年5月5日発行 監修:松崎道幸・渡辺文学 P406 より作成

非喫煙者に比べ、喫煙者が一定基準以上の薄毛の可能性である割合です。40代では約1.76倍、50代で約1.91倍、60歳以上では約1.08倍という結果に。

一方女性では、薄毛よりも白髪の量が目立っています。一定基準以上の白髪である可能性が、40代は約1.41倍、50代は約1.33倍、60代以上では約1.29倍となっています。

薄毛になったり白髪になったりするのは、年齢や遺伝によって誰にでも起こること。ですが、上記のグラフを見ると、喫煙が髪にも影響を与えているのは、関係ないとは言い切れませんよね。

薄毛は老化現象のひとつとはいえ、タバコの影響は無視できない

前述したように、タバコを吸うとニコチンによって血液の流れが悪くなり、薄毛を進行させてしまう可能性があります。

それともうひとつ、近年では薄毛の原因は活性酸素の影響もあると考えられています。

タバコを吸うことで体内に発生する活性酸素が、老け顔を作る原因だといわれています。頭皮も肌の一部です。肌を老化させるということは、頭皮も老化させるのは言わずもがなでしょう。

タバコが頭皮に与える影響はまだあります。タバコを吸うと、脱毛ホルモンと呼ばれるジヒドロテストステロン(DHT)が増えるといわれており、これは男性型脱毛症(AGA)と深い関わりがあるのだとか。

髪にも影響があるタバコ、まさに百害あって一利なしですよね。

禁煙すると抜け毛が増える」は間違いの可能性あり

「禁煙したら、抜け毛が増えた!これって、禁煙のせい?」

禁煙外来のカウンセリングでは、そんな疑問を口にされる方もいるそうです。

良かれと思ってタバコをやめようとしているのに、思わぬ弊害が出てきたら驚くし、困ってしまいますよね。こんなことならタバコを吸っていた方がいいやと、禁煙をあきらめたくもなるというもの。

でも、待ってください。禁煙のストレスで抜け毛が増え、薄毛になってしまっているとしたら、どうでしょう。

喫煙という習慣を絶っているわけですから、禁煙開始後しばらくは吸えないストレスがかかります。毎日禁煙のストレスを感じていれば、身体も影響なしというわけにはいきません。禁煙の好転反応というよりは、禁煙ストレスの方が髪に影響しているといえるかもしれません。

そもそも、喫煙習慣は身体によくない。健康を害しています。もちろん、頭髪にだって悪影響を及ぼしているのです。

薄毛は遺伝性の要素が大きいと言われていますが、喫煙によって薄毛を進めてしまっているのかもしれません。というのも、ニコチンは血液の流れを悪くすることが分かっており、そうすると、毛根の老化を早めてしまうのです。

このことから考えると、実は禁煙より前に、喫煙によって、薄毛を進行させてしまっていた可能性が高いのです。

(参考)
「おもしろサイエンス 薄毛の化学」 板見智・著 日刊工業新聞社 2016年
「タバコ病辞典 吸う人も吸わない人も危ない」 監修:松崎道幸・渡辺文学 2004年 実践社

禁煙ライター 黒田知子&株式会社マジカル企画部

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