禁煙すると下痢が続く!?
突然ですが、今タバコを吸っている方、禁煙に成功したという方、お腹の調子はいかがですか?
禁煙した方の中に、お腹の調子が悪くなったという方がいるそうです。
以前、禁煙すると起こる好転反応について紹介しました。
「禁煙したら体調が悪くなる?だったら禁煙しないほうがいいんじゃないの?」
実は、禁煙後におなかの調子が悪くなるのも、この好転反応の一種なのかもしれないのです。
禁煙で下痢が続く。好転反応のせい?
禁煙を始めて、最初に来る体調の変化と言えば、ニコチン依存症です。
イライラしたり、落ち着かなくなったり、その状態が辛くて、つい1本とタバコに手が伸びてしまって禁煙に失敗するのは、よく聞く話です。
そしてもう一つ、禁煙を始めた人にとっての壁と言えるのが、好転反応です。
好転反応とは、体が元の状態に戻るため、一時的に体調不良になることを言います。これが禁煙する際にも起きるのだそうです。
禁煙すると太るというウワサがありますよね。実はこれも好転反応の一種とも言えます。タバコを吸っていると、味覚が鈍くなり、食欲もわかない。
禁煙することで、味覚が正常に戻り、美味しく感じ、食欲もわいてくる。
「太るから禁煙したくない」という人も中にはいますが、それは身体が正常な状態に戻っている証拠。多少の体重増など気にしないで、ぜひ禁煙にチャレンジしてほしいものです。
ウソでしょ!タバコは身体に悪いのに、お腹の調子が良くなるなんて!?
実は、ある病気に関して、タバコが発症を予防したり、症状を改善することがあるのだそうです。
その病気が潰瘍性大腸炎。これは、下痢や腹痛が起こる病気で、重症になると血便が出たり、発熱や倦怠感、貧血などを起こすこともある病気です。
この病気がなんと、タバコを吸うことで発症を予防できることがあるそうなのです。
「喫煙者と非喫煙者を比較すると、潰瘍性大腸炎の発症頻度が前者に比し後者で有意に高いことが報告されている。さらに、喫煙者の潰瘍性大腸炎患者では禁煙により病態が増悪することが知られているほか、禁煙中の潰瘍性大腸炎患者では喫煙を再開すると約半数の患者で潰瘍性大腸炎の程度が軽減すると報告されている」
引用:公益財団法人 喫煙科学研究財団 喫煙と消化器系 喫煙下部消化管 1)喫煙と潰瘍性大腸炎
つまり、潰瘍性大腸炎は喫煙者より非喫煙者の方が多い。しかも、患者が禁煙することで症状が悪化、喫煙再開で症状が軽減されるというのです。果たしてこれが好転反応なのか、断言はできませんが。
これから禁煙しようとしている人にとっては、そんな事を聞いたら禁煙できないじゃないか!と思ってしまいますよね。
でも本当に、それだけでタバコを吸う理由になるかどうか。タバコによる健康被害は大腸だけではありませんから。
好転反応かどうか、自己判断はしないように
禁煙後の体調不良を全て、好転反応と自己判断するのは危険です。
好転反応は、一時的なものと言われています。禁煙後に体調不良が続いたり、症状が重い場合は、必ず医療機関を受診してください。
もしかしたら、禁煙する前までに蓄積した病気の種が、禁煙後に症状として現れているかもしれません。
タバコによる健康リスクは、とても多くあります。リスクを分かっているのに、タバコがやめられない、その気持ちも十分理解できます。それを理解した上で、タバコを吸い続けるのはあなたの自由。
でも、タバコの煙はあなた自身を超えて、あなたの周りにいる人たちの健康にも、影響を及ぼすということを心に念じておきましょう。
これからの人生を健康で過ごすためにも、ぜひ禁煙に取り組んでほしいと思います。
禁煙健康ライター 多久島
(参考) 公益財団法人 喫煙科学研究財団 喫煙と消化器系 https://www.srf.or.jp/history/10nen/10nen_12.html 平成30年度 潰瘍性大腸炎治療指針 supplement-高齢者潰瘍性大腸炎編- http://www.ibdjapan.org/pdf/doc02.pdf