令和2年の調査によると、現在習慣的に喫煙している人の割合は、男性で27.1%、女性で7.6%となっており、このうち「たばこをやめたい」又は「本数を減らしたい」と回答している人が、全体で男女とも6割近くにも及んでいます。
身近な人に禁煙で悩んでいる人はいませんか?禁煙には本人の意思や行動だけでなく、周りのサポートが必要なこともあります。
喫煙者の気持ちに寄り添いながら、サポート側は何ができるのかを今回はご紹介していきます。参考になさってくださいね。
【敵を知る】禁煙させたい人のニコチン依存度は?
「禁煙したい」と思っている人は、今どういう状況にあるのか、それを知らなければ周りの人もサポートができません。禁煙をすすめるにしても、相手の方が実際どのくらいニコチン依存度か。簡単なチェック表を使って確認してみましょう。
ここでご紹介するのは、NPO法人『離煙協会』で作成している、4段階分類による「ニコチン依存度チェック」です。これを喫煙者の方にやってもらうのは、持って行き方が難しい点もあるかもしれません。ただ5分もあれば出来るものです。興味半分でも結構ですのでぜひトライしてもらいましょう。
離煙協会 ニコチン依存度チェック
TEST-1 | |
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1 | 目覚めの一服はとてもうまい。 |
2 | 食事の途中でもタバコを吸う。 |
3 | 1日20本以上、タバコを吸っている。 |
4 | 常にタバコを持ち歩いている。 |
5 | タバコをカートンで買うことがある。 |
6 | 風邪をひいているときでも、タバコを吸ってしまう。 |
7 | タバコを吸っていると、いつも軽い咳が出る。 |
8 | タバコは短くなるまで吸い、煙は肺まで吸い込んでいる。 |
9 | 禁煙を試みて、失敗したことがある。 |
10 | タバコが健康に対して、影響を及ぼすことが気になる。 |
「Yes」が4つ以下=Aクラス 「Yes」が5つ以上=TEST-2に進む。 |
TEST-2 | |
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1 | たまに朝食前のタバコがおいしいと感じる。 |
2 | 食事の前後にタバコを吸う。 |
3 | タバコを1日20本以上吸っている。 |
4 | タバコを忘れて外出すると不安になる。 |
5 | 風邪をひいたり、のどが痛いときでもタバコは吸う。 |
6 | タバコを吸い過ぎると痰や咳が出る。 |
7 | 禁煙を試みて、失敗したことがある。 |
8 | 紙巻きタバコと同様に、加熱式タバコ等も試してみた。 |
9 | 就寝前に一服しないと寝つけない。 |
10 | タバコが身体に及ぼす影響が心配だ。 |
「Yes」が4つ以下=Bクラス 「Yes」が5つ以上=TEST-3に進む。 |
TEST-3 | |
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1 | 朝食前にタバコを吸う。 |
2 | 毎日、少なくとも20本以上はタバコを吸う。 |
3 | 風邪をひいたときや喉が痛いときでもタバコを吸う。 |
4 | いつも痰や咳が出て、タバコの本数を減らすと良くなる。 |
5 | 吸うタバコを軽いタバコ、に替えた。 |
6 | 紙巻きタバコから加熱式タバコ等に替えようとして失敗したことがある。 |
7 | 夜中に目が覚めたときは、とりあえずタバコを吸う。 |
8 | タバコが身体に及ぼす影響を心配したことがある。 |
9 | 医師、または歯科医師から、タバコを減らすように忠告されたことがある。 |
10 | もし苦痛なくタバコをやめれらるのなら禁煙したいと思う。 |
「Yes」が4つ以下=Cクラス 「Yes」が5つ以上=TEST-4に進む。 |
TEST-4 | |
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1 | 朝食前のタバコが1日で最もおいしいと感じる。 |
2 | 夜、床に入ってからも必ずタバコを吸う。 |
3 | 風邪をひいたり、喉が痛いときでもタバコを吸う。 |
4 | いつも咳が出る。 |
5 | 歯茎の病気や異常がある。 |
6 | 医師や歯科医師に、タバコをやめるよう忠告されたことがある。 |
7 | タバコが健康に及ぼす影響が心配になる。 |
8 | タバコが切れると「イライラ」、「吐き気」、「憂うつ」、「不眠」、「手足の腫れ」、「寝汗」、「息苦しさ」、「指先のふるえ」などの症状が出ることがある。 |
9 | タバコを吸うことは損だとは考えながらも、やめようとは思わない。 |
10 | もし苦痛なくタバコがやめられるのなら、病院に入院してもかまわないと思う。 |
「Yes」が4つ以上=Dクラス |
結果は以下の通りです。
Aクラス 【ニコチン依存度:軽症】
ニコチンの影響は比較的軽いですが、次第に喫煙量が増えていく、ニコチン依存予備軍です。今から禁煙を始めれば、成功する確率が高いです。
Bクラス 【ニコチン依存度:中等症】
喫煙者の約半数がこのクラスと言われています。お酒を飲んだり、ストレスが貯まったりすると喫煙本数は一時的に増えるものの、数日でもどります。禁煙をしていたのに、あるきっかけでまた吸い始めてしまったということも少ない傾向にあります。
Cクラス 【ニコチン依存度:重症】
喫煙者の約30%がこのクラスと言われています。息が上がりやすいと感じたり、咳が出やすかったりなどの症状が出ているのではないでしょうか。禁煙したいという気持ちがあってもなかなかできないのは依存が進行している証拠。健康のためにも今すぐ禁煙をおすすめします。
Dクラス 【ニコチン依存度:ニコチン中毒】
タバコがないと不安になる、寝る前と朝起きてすぐタバコを吸うなど、無意識にニコチンを求めている情況です。禁煙で苦しむくらいならタバコを吸っていたほうがいいと思っていませんか?いつ大病に移行してもおかしくない状態なので、場合によっては禁煙治療も考えましょう。
参照:「ニコチン依存度チェック」
NPO法人『離煙協会』03-3365-8986(平日10:00~18:00)
禁煙させたい人をどうサポートする?【休日編】
「身近な人が禁煙を開始するけど、どうやってサポートしたらよいんだろう?」そんな不安を持つ方も多くいらっしゃることでしょう。
ここでは特に一緒に過ごす時間が多い休日の過ごし方を検証してみます。
特に要注意なのが、休日をのんべんだらりと過ごす人。そういう方にとって休日はあり余る時間があります。その長い時間の中で、タバコを意識せずに過ごせるか、最終的に吸わずにいられるかという事が、禁煙に導く大きな手だてとなります。
そして禁煙をサポートする側にとっては、タバコと関わらない時間帯にどう上手に誘導してあげられるかがポイントになってきます。
以下いくつか休日の過ごし方についてご紹介します。
十分な朝寝坊をすすめてみる(午前中は寝床を離れないくらいの)
その週忙しかった方、睡眠不足だった方には健康面も含めうってつけの過ごし方です。
趣味に没頭させてあげる
読書や運動、DIYなど、趣味に没頭しているとタバコを吸うことを忘れることがあります。好きなことに集中させてあげましょう。
タバコが吸えないところに誘う
電車に乗って出かける、映画や演劇、銭湯などのタバコが吸えない場所に誘うことで、吸いたくても吸えなくなります。それが楽しいことやリラックスできる場所なら一石二鳥。新しい趣味を持つことにもつながるかもしれません。
両手を使う趣味や家事を一緒に行う
忙しければついタバコの事も忘れてしまいます。両手を使えばなおさら。タバコを持つ手もふさがります。自分は家の中、禁煙者は洗車など、同じ時間に違う場所の掃除をしてみてはどうでしょうか。洗車が終わったら次はお風呂お願いね。と役割分担することで、家もきれいになり、タバコを吸わない時間も増えます。お願い上手になることも、禁煙をサポートするパートナーの心得かもしれませんね。
友人や同僚のサポートは?
では、会社の同僚、友人で禁煙に挑戦中の人。その方をサポートしてあげる方法はあるのでしょうか。仕事中ですので、いちいち構ってられないかもしれません。しかし多少の配慮が、その方を禁煙成功へと導いてあげられるかもしれません。いくつかサポート出来そうな事をお伝えします。
食事に誘うなら禁煙の場所へ
一緒に食事をする場所を選びましょう。昼食をとるなら完全禁煙の食堂を選ぶ。あるいはそれが公園等のオープンスペースであっても、できるだけ喫煙スペースの近くを通らない、近寄らないのがベストです。
喫煙者との食事や飲み会を避ける手助けを
会社であれば色々なおつきあいがあります。今時、飲み会を強要するなどという事も少なくなってきました。ただし会社によってはまだそういう所もあるようです。もし本人が上手に飲み会等の誘いを断れなかったりした場合、可能な限りフォローの手を差し出してあげましょう。
食後のコーヒーや紅茶は避ける
元喫煙者にとって、食後のコーヒーや紅茶とタバコの一服は至福のひとときです。其の快感は麻薬のように脳裏にこびりついて離れないものです。それが禁煙している人を、デジャブのようにタバコにより戻すキッカケにならないとも限りません。一緒に昼食をとるなら、たとえ自分がコーヒーを飲みたかったとしても、一緒に我慢するか水でも飲んで会話を楽しみましょう。
その他にも周りの人がサポートできることはたくさんあります。
離煙実践講座・本離煙では、禁煙したいご本人はもちろん、
サポートする方の参考にもなる情報がたくさんあります。ぜひ参考にしてくださいね。
参考:離煙実践講座 本離煙(1)禁煙中の過ごし方と心得
【どうしてもダメな場合】「吸いながら」禁煙できるアイテムを使ってもらう
そうはいっても今まで長期間タバコを吸っていた人なら、今日、明日ですっぱりやめることは難しいものです。禁煙したい人にとっても、それはとてもハードルが高く、失敗を繰り返す原因にもなります。そんな中で、生活の中でさりげなく禁煙をサポートしていくことはとても大切です。
もし失敗続きになったとしてもご安心ください。なぜなら、あなたは禁煙の「最終兵器」を知っているからです。
それは「離煙パイプ」というアイテム。大きなストレスを伴う従来型の禁煙と違い、全くのノーストレスでタバコをやめられます。いつものタバコに装着して喫煙するだけで、ある日、「気づいたらやめていた」という状態にします。魅力的ではありませんか?
その代わり、1つだけ条件があります。
禁煙させたい方に「1ヶ月」だけ喫煙を続ける猶予を与えてあげてください。
ちょっと何を言っているかわからないかもしれません。しかし安心してください。このアイテムを使った方のうち89.3%の方が禁煙に成功されています。
そのからくりはずばり「ゆでガエル式」禁煙。31本の専用パイプで1日3%ずつニコチンを減らしていき、1ヶ月で99%のニコチンをカットします。3%だとニコチンの減少に気づかないため、「いつものタバコだ」と脳が錯覚してくれます。不思議なことに、どんなヘビースモーカーも99%もニコチンをカットされると「タバコはもういいや」となるものなのです。結果、禁煙に成功するんですね。
使ってもらう際には、なぜ?いきなり?と言われないように、上手に気持ちを伝えましょう。
そして禁煙に成功した暁には、健康を徐々に取り戻せる体になったことを一緒に喜びましょう。
禁煙ライター 黒田知子
参考:離煙実践講座 本離煙(1)禁煙中の過ごし方と心得
https://www.rienpipe.jp/fs/honrien1_detail17